ローマ1章1節 ローマの信徒への手紙の執筆事情

〔今週の御言葉 ローマ1章1節 ローマの信徒への手紙の執筆事情〕

1パウロ、キリスト・イエスの奴隷、神の福音のために選び分けられて召された使徒(から)。2この福音は、彼(神)が彼の預言者たちを通して、聖書において前もって約束していたもので、3彼の御子に関するもの(です)。肉によっては、ダビデの子孫から生まれ、4聖霊によっては、死者からの復活により、御力をもって神の御子に任命された方、わたしたちの主イエス・キリストです。5この方によって、わたしたちは恵みと使徒の職務を受けました。彼の御名のために、あらゆる異邦人に、信仰による従順をもたらすためです。6それらの人々の中で、あなたがたもまた、イエス・キリストによって召された方々です。7ローマにいる、神に愛されているすべての人々、召された聖徒たち(へ)。わたしたちの父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安があなたがたに(ありますように)。

 

パウロが「ローマの信徒への手紙」を書いたのは、第3回伝道旅行の最中、コリントに立ち寄った時のことでした。すでにエフェソから、「ガラテヤ」「フィリピ」「フィレモン」の手紙を書いたパウロは、大きな騒動を起こしていたコリント教会にも手紙を送ります。ところがその手紙によっても、コリント教会の騒動は収まることなく、かえって大きくなっている状況を憂いて、パウロはエフェソからコリントを訪問します。しかしその訪問によって見るべき成果を上げることができなかったパウロは、むしろ面前で罵倒されるような苦境に陥り、傷心の内にコリントを去ります。そして再び今度は厳しい手紙を書き送り、手紙をテトスに託します。ところがこのテトスの訪問と手紙の効果が現れて、パウロを罵倒していた人々が悔い改め、パウロに謝罪することを願うようになりました。それをテトスから聞いたパウロは、慰めの手紙を送り、コリント教会と和解します。その後、献金についての指示などの手紙も書き送りますが、そこでパウロの身に大きな危機が訪れます。町全体を巻き込んだ大きな騒動によってエフェソを退去しなければならなくなります。そこでパウロは和解したコリント教会を訪問し、そこにしばらく滞在します。そして今度はイスパニアに向けて出かけて行くことを計画し、その途中でローマ教会に立ち寄ることを考えます。そこで挨拶がてら書き送ったのが、この「ローマの信徒への手紙」なのでした。